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  •  臨床・研究グループ
  • —生物学的精神医学研究グループ(ニューロイメージング)
    研究概要

    主にうつ病・双極性障害などの気分障害を対象に、ニューロイメージングの手法を用いて、病態解明および臨床応用を目指して研究を行っています。ニューロイメージングの手法としては、磁気共鳴画像法(MRI)、脳波(EEG)、近赤外分光法(NIRS)などを研究目的に合わせて使い分けています。脳表、脳深部を問わず空間分解脳が非常に高く、病態と関連した神経回路を特定しやすいことから、機能的MRI(fMRI)を用いた研究が中心になっていますが、近年は拡散テンソル画像による研究も行っています。機械学習や計算理論的神経科学の専門家と活発に連携しながら研究を進めていることも特徴です。

    研究内容

    「うつ病、双極性障害の脳病態の解明」

    • fMRIを用いた研究により、うつ病では報酬予測時の線条体の低活動、遂行機能に関わる背外側前頭前野の機能低下とデフォルトモードネットワークの過活動あるいは抑制障害などがみられることがわかってきています。
    • 拡散テンソル画像を用いて、双極性障害とうつ病の白質統合性の違いや、年齢・認知機能との関連なども検討しています。
    図

    「MRIを用いたうつ病、双極性障害の客観的補助診断法の開発」

    • 全脳データから10個の脳機能結合がメランコリア特徴を伴ううつ病の外部データに汎化する(精度= 69%)バイオマーカーとして抽出され、そのうち1つの結合は、SSRIによる治療で健常方向に変化しないことなどがわかってきています。
      https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/56799

    「治療反応性と関連するうつ病サブタイプの同定」

    • うつ病患者の脳機能画像データ及び幼児期のトラウマ経験を初診時に評価することで、治療開始前にSSRIの治療効果を予測できる可能性があり、さらに研究を進めています。
      https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/47300

    「real time fMRIをもちいたうつ病の新規治療法の開発」

    • 左前頭葉の脳活動を患者自身が活性化するニューロフィードバック訓練の有効性が示唆されており、さらに研究を進めています。
      https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/57644